2023-1-16 60歳の新米日本語教師 - 今学期の仕事
今学期のスケジュールは
週2日4つの学校で教える
A校での初級クラスがそのまま持ち上がり初中級クラスの担当になった。1日4コマ(約4時間)週2日と前学期よりは1日少なく、文型導入に準備が必要だった初級と比べ、初中級はさほど準備の必要がなく、楽になった。
留学生はよく勉強する生徒とそうでない生徒に分かれ、自然と実力の差も出始めている。どういう心持ちで勉強をさぼっているのか、理解に苦しむ。まだ自己表現できる日本語のレベルではないので会話が成り立たないのが残念だ。
B校では初級漢字を2時間1クラスの在日社会人に教えている。始まる時間は夕方7時から、帰宅は10時を過ぎることがほとんどだ。非漢字圏の出身が多いので、覚えるのに時間はかかる。ほぼ趣味のように漢字を習おうとしている生徒ばかりで、クラスも楽しみながらできるようにゲーム性を取り入れている。
授業の準備はかつて1日半を費やすほどかかったが、最近は数時間でまとめられるようになった。このクラスの特徴は途中入学者が多いことだ。まったくのゼロ知識での途中参加は生徒にとってもきついだろうが教えるほうもきつい。毎週、一歩進んで二歩下がるような授業をしている。
教室とオンラインというハイブリッド授業で生徒数も15名というのも教師の負担になっているが、教科書に沿っていれば好きなように授業ができるがありがたい。この学校では前学期に教えていたクラスの代講を引き受けることもある。
C校ではアメリカにある日本語学校で、1時間半の授業を2クラス、オンラインで教えている。日本は早朝の時間だがアメリカは夕方なので会社や学校を終えた生徒が学ぶ。年齢はさまざまではあるが、さすがアメリカ人とばかり発言も多く、言いたいことも気持ちもよく通じ合う。オール英語だが、とても楽だ。前学期のファイルを再利用し、手を加えながらなので、ほぼ授業準備はない。まだ始まったばかりだがやる気を感じる生徒ばかりなのが嬉しい。
D校は、今年高校に入学する若い留学生に会話と作文を教えている。平均年齢16歳。一部を除いてほとんど高校入学が決まっており、おそらく今一番楽しい時期を過ごしているだろう。あどけなさが残る子どもたち… とはいえ学習歴は短くなく、上記のどのクラスと比べても、話す能力は高い。中には、ほとんどネイティブのように話す生徒もいる。どのように勉強してきたのか、詳しく知りたい。
以上4つの学校で合計15時間の授業を行なっている。これらの授業を週2日に集中させた。週3日だと体力的にきついと学んだのが前学期。1日減らしたが、初級から外れたので授業の準備がさほど負担ではなくなったので、来学期は週3日に戻してもいいかもしれない。
大変だけど、幸せな仕事
週2日働き、残り5日を遊ぶ、というわけにはいかない。丸2日、準備に時間をかけている。余暇は、旅行したり、映画を見たり、美術館を訪ねるなどして過ごしたいところだが、どうも頭の中は授業と生徒のことでいっぱいなのである。ほぼ24時間、生徒のことばかり考えていると言っても過言ではない。どうしたらもっと授業に参加してくれるだろう、どんな展開にしたらわかりやすくなるだろう、などと殊勝なことも考えているが、とるに足らない生徒たちとのやりとりを思い返すのが楽しい。
がさつで深い思いやりに欠ける私は、失敗も多い分、宝物のように感じるひと時もあって、今まで色々な会社でいろいろな仕事をしてきたけど、この仕事がいちばん幸福を感じるのだ。前職を辞める時、引退して自由に遊んで暮らそうと思ったけど、好きなように旅をして、美術館を巡っても、今の私のこの仕事には及ばない。
30年以上も前だが、制作クリエイターの仕事をしていた時、とある著名なコピーライターが「この仕事は大変だけど幸せな仕事です」と言っていたのを思い出した。このフレーズ。あの時の私ではなく、今の私にふさわしい。(2023.01.15)